~~~~~~~~次回出演~~~~~~~~

2月9日㈯「歌の砂」<A7>(神保町)

歌:ほさか夏子 和田山名緒
演奏:pf.フレデリック・ヴィエノ gt.白𡈽庸介 bs.立原智之


詳しくはこちらからどうぞ⇒ ほさか夏子のスケジュール

 ご近所

チューリップが咲いた。

毎朝豆乳をとりに行く。そして毎朝のように、ある年配のご婦人と遭遇する。

彼女はもう少し早くからやって来ていて、豆乳の瓶詰めを手伝ったり、入り口のガラスを拭いたりしている。といって別に豆腐屋さんの役に立っているわけではなく、むしろ邪魔をしているに近い。話好きで長居の彼女を持て余した豆腐屋さんの、粋なはからいといったところか。時間短期限定私設デイサービスと言っては言い過ぎだが、ご近所付き合いの暖かさがにじみでていて、こちらもほっと暖かくなる。

彼女のボケにはっきりと気付いたのは、正月のことだった。「おめでとうございます」が一週間ほど続いたのだ。その前も彼女の田舎の話を何回も聞かされていたのでうすうす気が付いてはいたのだが、これほどだったとは。同じ話題の朝の会話は長い周期で続く。最近はバッグの話だ。

ある時私が100円で買った小さいバッグを豆乳運搬用として持って行った時のこと。ちなみに豆乳は義母の分も一緒だからいつも2本で、週末になると日曜の分も含めて倍になるからどうしても入れ物が必要なのである。その日から「いいバッグ持ってるじゃん」の話が続くことになった。あんまり言われるので「これどうぞ使って」とそのバッグを差し出したが、「いいよいいよ」と言って受け取らない。そんなある日気分転換に出かけた「私の100円ショップ」(参照)で、薄いグレーの小さなバッグとめぐりあった。未使用同然で、合皮かな、同じ素材で大きな花のモチーフがついていて、中は布の内貼りがしてある。彼女を思い出し、その場で買った。翌日、リサイクルショップの品であること、100円であること、内側は布だから豆乳用には向かないことを告げ彼女に渡した。彼女はとても喜んでくれ、以来「みんながいいねいいねって褒めてくれるだよ。」の日が続いた。ここ数日は「(そのリサイクルショップへ)行ったけどなかったよ」だ。そのバッグが気に入ったので、嫁さん用にも欲しいのだそうだ。「リサイクルショップだから同じものはないのよ。」「時々見に行くといいですよ。」とこれまた同じ返答が続く。

でもね、ヤじゃないの。豆腐屋さんの暖かさの場に私も参入できた良かったって感じ。昔は町にいろんな人がいて、みんなそれぞれに付き合った。今では隔離されてしまった人々もいる。いろんな人がいていろんな付き合いがあって、それが町の暖かさ、包容力なんだと思う。

町も分断されてしまった被災地の人々のことを思う。そしてまた新たな災害。私ってバカ。「営業している郵便局があったら局留めで何でも送るから」なんて二日目にメールしてしまった。全く状況が把握できていなかった。ケイタイの充電だってままならないんだ。水をもらいに列に並んでいる所だと言っていた。車での生活だと言っていた。

「旅館の建物も全く被害がなく変わらず営業していますが、予約客のキャンセルが相次いでいます。」とバカな報道。それどころじゃないだろ。建物が無事ならそれだけでありがたいだろ。パナマ文書にも規制をかけやがって。タレントが総出で「頑張れ」と言ったりして。そして川内原発は稼働を続ける。