~~~~~~~~次回出演~~~~~~~~

9月13日㈮「神楽坂のソウルフルナイト」<オ・シャンゼリゼ>(神楽坂)
歌:ほさか夏子
演奏<La Maladie D'Amour>pf.Frédéric VIENNOT gt.白𡈽庸介 bs.立原智之


詳しくはこちらからどうぞ⇒ ほさか夏子のスケジュール

 照子さんと花火

八王子は今夏祭り。一週間前は花火大会があった。民家の近い野球場で打ち上げるので高さはそれほどない。以前はウチの窓からも「おお、やってるな」程度には眺められたのだが、高いマンションが建ってしまったため今では音のみ。今年はその音がたまらなく気になった。そわそわと落ち着かない。やっぱり照子さんに見せてあげよう。来年があるかどうかも分からないんだもの。以前誘って「見たって仕方ない」と断られ、それきり誘っていなかった。やはり今年も「花火なんていいよ」と一言。それでも「行こうよ」と誘うと、今年は素直に立ち上がってくれたんだ。照子さんは最近素直に従ってくれる。そりゃそうよ、「愛してる」だの「大切な人」だの「可愛い」だの「照子さんはえらい」だの「ありがとう」だの言いまくっているもの(笑)。同じ言葉が他の家族にも言えればいいんだけどね(笑)。

車椅子を押し、長い坂を汗を拭き拭き歩く。途中何度か見物ポイントがあったのだが、「ここで見ようか」というと「もう少し近くに」という。やっぱ、あのだんだん近づいてくる音と光に魅了されたんだね。結局野球場の脇まで来てしまった。道は通行止めになっており、多くの人々が座って見物している。真ん中あたりが空いていたので、「車椅子だから、許してね」と心の中で見物客につぶやき、陣取る。やっぱ、花火は近くに限る。その迫力に思わず照子さんの腕を握った。すると彼女は別の手で私のその手を握り返してきた。見ると、口をぽかんと開け、呆けている。これよこれ、これが花火の醍醐味なのよ。以前加藤初枝さんの実家に行った時ちょうど花火大会で、川原の、それこそ打ち上げの間近で見たことがあった。口は開いたまま塞がらないし、その音はドンと身体の奥まで響き渡り、涙が出てきてしまった記憶がある。ね、いいでしょ、花火って、照子さん。

家に戻っても、彼女は花火の迫力を覚えていた。デイサービスから戻った時はいつも「え、行ってきたの?」なんて言ってるくせに、花火はえらい(笑)。また花火の日が訪れたら、今度はもっと早く行こう。焼きそば食べて、ビールを飲もう(笑)。