~~~~~~~~次回出演~~~~~~~~

9月13日㈮「神楽坂のソウルフルナイト」<オ・シャンゼリゼ>(神楽坂)
歌:ほさか夏子
演奏<La Maladie D'Amour>pf.Frédéric VIENNOT gt.白𡈽庸介 bs.立原智之


詳しくはこちらからどうぞ⇒ ほさか夏子のスケジュール

 2003年9月 秘密の花園シリーズ(カメラ・アドヴォケイト)


                  「猫じゃらしの森」


さっき、会った。奥の家に新聞を届ける配達員に。
毎朝、通りにバイクを止める音がし、そして必ず歌いながら私の部屋の前を通り過ぎていく。少し高いその声と歌詞がついているのだかいないのだかわからないそのコロコロした歌に、女の子だと、しかも中国あたりから留学に来ていてバイトしているんだろうなと、私は勝手に想像していた。少し前まではこの時間帯はまだ暗かったから、きっと怖くて歌で自分を元気づけているんだなと。けれどそれは明るくなってからも続いていた。
会ってみたいなと思っていた。でも待ち伏せのようになってしまっては、その歌への苦情のようにとられてしまいかねないし、その歌は続けて欲しかったから「偶然」を待っていた。そして今日、コーヒーを持って外階段を降りて来たとき、その偶然が訪れたのだった。ううん、ほんとうはほんの少しだけ待った。バイクの音がして、このまま部屋に入ってしまってはせっかくのチャンスを逃してしまうと思い、水槽の前で金魚を見るフリをして。
「おはようございます」と挨拶してくれた。男の子だった。細面の感じのいい子だった。
それじゃぁ、バンドかなにかをやっていて自分の歌を毎朝練習しているのだろうか。いやまてよ、それとも今日は別人なのだろうか、歌が聞こえてこなかったではないか。私の存在に気づく前に、一節くらい聞こえてきてもいいはずなのに。
う〜ん、謎だ。