~~~~~~~~次回出演~~~~~~~~

9月13日㈮「神楽坂のソウルフルナイト」<オ・シャンゼリゼ>(神楽坂)
歌:ほさか夏子
演奏<La Maladie D'Amour>pf.Frédéric VIENNOT gt.白𡈽庸介 bs.立原智之


詳しくはこちらからどうぞ⇒ ほさか夏子のスケジュール

 どうしてなんだろう

「彩事業」で成功した町がある。「ツマもの」という料理に添える葉っぱなどを商品化することに成功し、そこでの主役はなんとお年寄りなのである。
http://www.shikoku.meti.go.jp/soshiki/skh_a3/5_houkoku/040408a/genki/kamikatsu.htm


母によると、わが八王子にも高齢者雇用促進センターのようなものがあるらしいが、順番待ちでなかなか入れないらしい。なので母は「授産所」という施設に通っている。だがこの施設ももうすぐなくなってしまうとのことだ。各地での高齢者の活躍を聞くたびに、どうしてなんだろうと思う。高齢者は財産なのに。二年前に書いた文章があったので、ついでに載せておく。


授産所という所は、まあ昔で言う内職みたいなやつを自治体が請け負って主に老人達に世話してくれる所。自宅でも仕事は可能だが、母はそこに通って働く内の一人だ。


照子さんは授産所のベランダで植木鉢の面倒を見て久しい。花が咲いたのを買うのではなく、種から育てることを是としている。だから花の無い時期はあまり関心を持ってもらえないらしい。昼休みに「歌の時間」をこさえ、有志を集い歌っていたこともある。私も歌詞集を作る手伝いをした、三冊にもなったか。しかし他の人は演歌ばかりが好きでそのことに嫌気がさしたらしく、歌の時間はいつの間にか終わっていた。


今度はメダカである。発泡スチロールの箱に汲み置きの水を入れ、餌をやっている。どうもメダカというのは多産らしく、次々と子を産むらしい。これが今度は仲間に非常にうけたようだ。ほうっておくと子は親に食べられてしまうから、掬っては別の水槽に写す、これがとても楽しいらしい。中には手製の網まで持参した人もいるそうな。そして、増え続けるメダカの子は次々と貰われてく。餌をやるという行為を思い付かず藻も入れることなしに死なせてしまった人もいるらしい。が、中にはこんな人もいたそうだ。
その人は生命を飼うのは初めてなんだそうだ。初めて小さな水槽を買い、初めてメダカを飼った。一人暮しの彼女が家に帰り水槽を覗くと、藻の隙間からメダカ達が仲良く並んでこっちを見ている、そして彼女は言う、「ただいま」。一人暮しゆえ家では話す機会がなかったのに、今はメダカに話ができる、行ってきますと挨拶もできると興奮して話し、それはそれは喜んでくれたらしい。


授産所にはいろんな境遇のお年寄りがいる。照子さんのような一人暮しも多いし、孫へのお小遣い稼ぎという人もいる。家にいると嫁と折り合いがつかないからという人もいて、授産所が休みの日は日中散歩してやり過ごすのだという人も。


授産所での稼ぎはいくらにもならない。一日働いて何百円という世界だ。けれども、経ち切られそうな社会との繋がりを、こうして保っていられる。微力ながら社会に貢献している自覚も持てる。人と話すことができる。人の世のおきまりの厄介事にも身を曝すので、安穏とはしていられない。通うから足腰も鍛えられる。報酬を貰える、自分の小遣いを自分で稼げる。従ってボケや寝たきり老人を増やすことが少なくなるから、国のためにもなる。いいこと尽くめじゃないか。


この八王子授産所が今危ない。八王子の場合、東京都が運営管理しているのだが、市に移管したいのだという。ところが市では金がかかるからやりたくないんだという。病気になったり動けなくなったりした老人のケアにかかる施設建設やら介護費ももちろん重要だが、そうした老人を増やさないためにも必要だと思うし、もちろん経費もそれらほどかかる訳ではないと思う。授産所があるのは健康な社会だと思うのだが。

当然、照子さんのことだから都との話し合いの場にも行き、署名活動もした。さてどうなることやら。リウマチと付き合いながらも、元気な照子さんではある。