~~~~~~~~次回出演~~~~~~~~

9月13日㈮「神楽坂のソウルフルナイト」<オ・シャンゼリゼ>(神楽坂)
歌:ほさか夏子
演奏<La Maladie D'Amour>pf.Frédéric VIENNOT gt.白𡈽庸介 bs.立原智之


詳しくはこちらからどうぞ⇒ ほさか夏子のスケジュール

 寄席

寄席という形態が廃れてきた。複数の演者が少ないギャラで出演するので、客も低料金で楽しめる。日本のシャンソンの世界にもそれはあった。「銀巴里」といった。昨日、ラマンダというスペースで、昔「銀巴里」でご一緒させて頂いた大木康子さんと出演することができた。そして益々思いを強くしたことがある。
大木さんの世代には、「寄席」形式の店が他にもあった。そこにはさまざまな客たちがいた。そして客たちは、歌手を育てていった。そこには文化が華開いた。たくさんの個性的な歌手が育っていった。また、ミュージシャンたちもそれに参加していた。彼らは小屋専属なので明日の仕事に頭を抱えることはない。だから「いびり」も交えながら、歌い手を育てていったのである。
演者を育てるには、我慢もいる。しかも足繁く通わなくてはならない。だからこそ客は物が言えた。そこには愛があった。ライブは演者と客が作りあげる「場」である。たった一瞬で消え去ってしまう音のために、演者は凌ぎを削り、客は「気」を送る。なんという贅沢な「場」。その「場」を寄席は手頃な料金で提供した。
シャンソン「寄席」が無くなった現在、そういう客たちが少なくなった。歌手が育たなくなった。夜店は数多あるが、通うには懐が痛い。しかも歌手なのかホステスなのか線引きさえ難しい状況が多い。また、歌手は客を呼ばなくてはならないから、「いい歌をうたう」ことよりも「客を呼ぶ」ことに専念しなければならなくなってくる。そうして、文化は衰退した。
今、ラマンダは、それに近いものを作ろうとしている。主催の深江ゆかさんが頑張っている。彼女の想い、また一緒に活動している藤原和矢さんの想いを聞くと胸が熱くなる。
大木康子さんは、やっぱり今でもカッコよかった。「いい大人に向かって<大人の女>もないわよ」と一笑されてしまったが、私なんぞ歳をとっても未だになれないのだから、<大人の女>は年齢ではないですよ、大木さん。
彼女たちの世代の歌を、どうか皆さん、聴き逃してしまわれませんように。